マンションのエレベーターに乗り込んだら、同じ階のおばさまがすごい勢いで走ってきた。

そんなに焦らなくても待ってるし、例え一度下に行ってもすぐ戻ってくるのに、5階建てなんだから。

普段テニスで鍛えてるだけあって、私よりかなり年上だけどとても身軽な人。

乗り込んできてなんだかニコニコしている。

ん？なんだ？

あーそうか…気づいた私は、

「今日のマスクもシックな花柄で素敵ですねぇ〜」

「これはね、着なくなったブラウスで作ったのよー」

「あらぁー、お洋服とのコーディネートもバッチリ〜〜！」

「そうおぅー？簡単なのよ〜。楽しまなくちゃねぇ〜！」

ここでエレベーター到着。

じゃあねー。

と満面の笑みで去っていった。

以前話題がなくて手作りマスクを褒めたらすごく喜んで、今日も目で新作マスクアピールしていたのだった。

ふぅ。

若い頃、おばさまの洋服の販売員をやっていたので、年上の女性をいい気分にさせるのは得意なのだ。